出品と購入のガス代が知りたい
ETHとPolygonでガス代は違う?
という疑問にお答えします。
OpenSeaでガス代がかかる操作はブロックチェーンによって違います。
しかも売る側・買う側で異なるので混乱しがち。
この記事ではOpenSeaでガス代がかかるタイミングを売る側・買う側それぞれで解説します。
OpenSea公式サイトや実際の操作で検証していますが、万一誤りがありましたらコメントやDMでご連絡ください。
↓ ✔︎のタイミングでガス代がかかります ↓
‘売る側’の操作とガス代

売る側の操作のうち、✔︎がガス代がかかるタイミングです。
アイテム出品時にブロックチェーンをPolygonにすれば、ガス代がかかる操作はほとんどありません。
ETHでも初回出品/転売(List)時に数千円〜1万円強のガス代がかかるだけなので、売る側の負担は意外と少ないです。
OpenSea内の表記 | ![]() ETHアイテム | ![]() Polygonアイテム | |
コレクション作成 | Create a collection | ー | ー |
アイテム登録 | Mint/Add item | ー | ー |
アイテム出品/転売 | List/Sell | ✔︎初回のみ* | ー |
値下げ | Lower Price | ー | ー |
固定価格の販売停止 | Cancel listing | ✔︎ | ー |
オークション停止 | Cancel auction | ✔︎ | ー |
オファー承認 | Accept offer | ✔︎ | ー |
1ETH未満で終了した オークションの承認 | Accept the highest offer | ✔︎ | ー |
オファーへの逆交渉 | Counter offer | ー | ー |
WETH ⇄ ETHへの交換 | convert | ✔︎ | ー |
アイテム送付 | Transfer | ✔︎ | ー |
アイテムを 別コレクションへ移動 | Change Collection | ー | ー |
アイテム削除 | Delete item | ー | ー |
ただGiveaway・エアドロなどでアイテムを送付する場合、ETH作品だとTransferにガス代がかかるので注意しましょう。
ーコレクション作成(Create a collection)
OpenSeaの登録時にクリエイターはコレクションを作成しますが、これにガス代はかかりません。
コレクションを複数展開するときでも安心です。
ーアイテム登録(Mint)
Mintは鋳造の意味で、アイテムをブロックチェーンへ書き込んだ状態です。
販売方法や価格が設定される前なので取引はできません。
アイテム登録(Mint)の操作ではガス代不要です。
マーケットプレイスによっては、Mint/入庫の度に毎回ガス代が発生する場合もあります。

✔︎アイテム出品/転売(List)
OpenSeaでいちばん高いガス代がこの「Account Registration fees」です。
初回のETHアイテム出品/転売時にかかるもので、Polygonアイテムの初回出品/転売時には発生しません。
公式サイトにはAccount Registration feesと書かれていますが、OpenSeaに払うものではなくEthereumネットワークの利用料です。
時期や混雑状況で0.01〜0.1ETHと大きく上下します。

初期費用を抑えたい場合はPolygonを選択して出品しましょう。
ただETHアイテムを転売するときには「Account Registration fees」が必要です。
ガス代が安いときに、短時間だけETHアイテムを出品してガス代を払うのもアリかもしれません。

ー値下げ(Lower Price)
「値下げにガス代が必要」との情報も見かけましたが、試したところ2022年3月時点では不要のようです。
ただし値下げのあとに販売停止(Cnacel listing)すると値下げの回数分だけガス代が発生します。
*参考:OpenSea
販売停止の可能性があるアイテムは、値下げを何回も行わないように注意しましょう。
✔︎固定価格の販売停止(Cancel listing)
固定価格での販売を停止するときは0.005〜0.01ETH程度のガス代がかかります。
ひとつ前で説明したとおり、販売期間中に値下げ(Lower Price)したら値下げの回数分だけガス代が発生します。
販売停止でのガス代はETHアイテムに発生するもので、Polygonアイテムならガス代は不要です。
✔︎オークション停止(Cancel auction)
ETHアイテムのオークションを停止するにはガス代が必要。
販売停止と同じ0.005〜0.01ETH程度が相場です。
Polygoアイテムはオークション形式の販売ができないので気にする必要はありません。
✔︎オファー承認(Accept offer)
ETHアイテムにはWETHというコインを使って購入者からオファー(指値・価格提示)がくることがあります。
承認するかどうか、複数のオファーから誰を選ぶか、はオーナー次第です。

承認してオファー価格で売却するにはオーナーがガス代を負担します。
初回出品のガス代ほど高くなく、0.001〜0.005ETHくらいの印象です。
Polygonアイテムへもオファーはできますが、使うコインがWETHではなくPolygonです。
オファーの承認にガス代も必要ありません。
1ETH未満のオークション承認(Accept the highest offer)
ETHアイテムのオークションが1ETH未満で終了した場合、オーナーは取引を完了する義務がありません。
最高額の入札を承認するかどうかはオーナー次第です。
承認する場合は、オファー同様にガス代の負担がオーナーとなります。
オークションが1ETHを超えて終了すると取引が自動で完了し、ガス代はOpenSeaが負担してくれるようです。
*参考:OpenSea
Polygoアイテムはオークション形式の販売ができないので気にする必要はありません。
ーオファーへの逆交渉(Counter)
オファーで提示された価格に逆交渉をしたい場合はCounterを使います。
オファーをしてきた人にだけに逆交渉(価格提示)することも、対象を限定しない価格提示も可能です。
逆交渉(Counter)は固定価格での販売と同じ状態なので、売る側のガス代は不要です。
「オファーの承認でガス代を負担したくない!けど購入希望者はいる」という状態なら、Counterを使ってみましょう。
✔︎WETH ⇄ ETHへの交換(convert)
ETHアイテムをオファー・オークションで売却すると、売上はWETHというピンク色のコインで受け取ります。
WETHはNFTの購入(オファー・オークション)に使うかETHへ交換するかの2択です。
WETHからETHへの交換はOpenSea上でできますが交換にガス代がかかります。
1回の交換で0.001〜0.01ETHと地味に高い時もあるので、一度にまとまった額を交換するのがおすすめです。
Polygonアイテムは固定価格の販売・オファーでの売却ともに、受け取るのはPolygon(紫色のコイン)です。
✔︎アイテム送付(Transfer)
ETHアイテムの送付にはガス代が必要、Polygonアイテムの送付は無料です。
ガス代は1回の送付ごとに0.001〜0.005ETHくらいかと思います。
Giveawayやエアドロップの送付回数によっては費用がかさむので、Polygonアイテムで行うのがよさそうです。
ーアイテムを別コレクションへ移動(Change Collection)
アイテムの取引前でも後でも、クリエイターはアイテムを別のコレクションに移動できます。
作品の整理やコレクションの設定変更などでアイテムを移動することになっても、ガス代は不要です。
ーアイテム削除(Delete item)
アイテムの編集(Edit)ページからアイテム自体の削除できますが、この操作はガス代不要です。
取引履歴がある場合は、アイテムに紐づく取引すべてが削除されるので注意して操作しましょう。
‘買う側’の操作とガス代

買う側の操作のうち、✔︎にガス代がかかります。
買う側はETHアイテムの購入には毎回ガス代がかかるので負担は大きめ。
Polygonアイテムの購入なら、負担はETHをPolygonネットワークへ移動させるときくらいです。
OpenSea内の表記 | ![]() ETHアイテム | ![]() Polygonアイテム | |
固定価格での購入 | Buy now | ✔︎ | ー |
ETH ⇄ WETHへの交換 | convert | ✔︎ | ー |
ETH on Polygonへの移動 | bridge | ー | ✔︎ |
オファー オークション入札 | Make offer Price Bid | ✔︎初回のみ* | ー |
オファー オークション入札の取り消し | Cancel offer | ✔︎ | ー |
販売形式やアイテムによって使うコインが違い、コインを準備するのにもガス代がかかるので事前に相場を把握しておきましょう。
✔︎固定価格での購入(Buy now)
ETHアイテムは毎回の購入にガス代がかかります。
時期によってかなり幅があり、0.005〜0.02ETHくらい。
アイテム価格よりもガス代が高いこともあるので動向を注視しましょう。
ほぼ同時に2人以上が購入操作をすると、1人だけトランザクションが成功(購入)して他は失敗することがあります。
失敗した人は購入できていないのにガス代だけ払った状態です。
人気作品のクリック戦争ではよく起きることなので、理解した上で参戦してください。

Polygonアイテムであれば固定価格での購入にガス代はかかりません。
✔︎ETH ⇄ WETHへの交換(convert)
ETHアイテムにオファーをしたり、オークションで入札するには「WETH」というコインを使います。
WETHはOpenSea上でETHから交換(convert)して入手できますが、この交換にガス代が発生します。
1回の交換で0.001〜0.01ETHと地味に高い時もあるので、一度にまとまった額を交換するのがおすすめです。
PolygonアイテムへのオファーはWETHではなくPolygonを使用します。
オークション形式での販売もできないので、Polygonアイテムの購入でWETHを使うことはありません。
✔︎ETH on Polygonへの移動(bridge)
Polygonアイテムを購入するには、仮想通貨取引所で入手したETHをPolygonネットワークへ移動する必要があります。
移動の方法はいくつかありますがOpenSea内でbridgeするのが一番かんたんです。
1回の移動で0.001〜0.0051ETHくらいですが、WETHへの交換と同じでまとまった額を交換するのがおすすめです。

✔︎オファー/オークション入札(Make offer/Price Bid)
ETHアイテムのオファー・オークションにはWETHを使うと説明しましたが、WETHを初めて使うときにガス代がかかります。
*参考:OpenSea
実際にかかったのは0.005〜0.01ETHくらいの幅でした。
初オファーや初オークション入札は購入者側でタイミングが読めないのでガス代の節約は難しそうです。
必要経費と割り切りましょう。

Polygonアイテムへもオファーはできますが使うコインがPolygonなので、WETHを使うことはありません。
✔︎オファー/オークション入札の取り消し(Cancel offer)
ETHアイテムへ出したオファー/入札を取り消したい場合もガス代がかかります。
0.001〜0.005ETHくらいですが、特に理由がないならオファー/入札は取り消さずに放置でいいかと思います。
まとめ

この記事では、OpenSeaでガス代がかかる操作を売る側・買う側のそれぞれで解説しました。
NFTの取引にガス代は不可欠です。
ただ混雑状況によってかなり変動するので、コントロールが難しいものでもあります。
・ガス代がかかる操作を事前に把握
・安いタイミングで効率よく取引
して、ガス代と上手に付き合いましょう。
ガス代以外にも取引所の手数料対策も抜かりなく。
